会員コラム02

hamaちゃんからバトンタッチ!今月は土門が担当いたします。

昨年春、「自生地のサボテンが見てみたい!」ただこれだけの理由で怪しいおじさんたち(京都シャボテンクラブ所属 岩田氏・藤田氏、 埼玉サボテンクラブ所属 横田氏)4人で7泊9日間アメリカ南西部へ行ってきました。

ガイドがいるわけでもなく、英語が堪能なものがいるわけでもなく、しかもレンタカーでテキサスエルパソからロスアンゼルスまで運転する探索旅行。旅行代理店でチケットとホテルのみ手配してもらい、回るコースはオリジナル。(と言っても行程を立案してくださったスーパー添乗員岩田さんのお陰なのですが)

個人的にはかなり事前準備しましたが、ほぼ役に立たず…(笑)当たって砕けろ!でした。

かなりの珍道中でしたが、しかし、しかしそれはそれは感動の旅でした!今回はほんの一部ですが皆様にお伝えできればと思います。

主に周ったところは国立公園・州立公園です。公園といっても日本のように歩いて回れるとこではありません。中でもカリフォルニアにあるジョシュアツリー国立公園の面積は3196平方キロメートル。東京都の1.5倍。特に立ち入り禁止の看板もなく自己責任で回ってください(とは言ってないけど)的な立札がありました。

私たちが行った4月は過ごしやすい気候で日中の気温30度湿度10パーセント

ほぼ快晴の毎日でした。

気温湿度の割には自生地で見たサボテンたちはどれも水を含み、パンと張った球体に新刺が顔を覗かせていました。

アリゾナ ウォーターマン Echinocactus太平丸ニコリー

圧巻のニコリーの群生地でした。背の高いタイプが多く強刺で武装しています。

探し諦めかけた時、このコロニーを最初に見つけたのは眼光鋭い横田氏です。

テキサス フランクリンマウンテン州立公園 Echinocactus太平丸

青磁色の濃い球体が多く刺の曲線が美しい個体が多くありました。故土門がかつて訪れた場所です。

カリフォルニア ジョシュアツリー国立公園 チョーヤカクタス群生地

球体うちわサボテンの仲間で刺の先に反しが付いており、刺さると抜く時地獄を見ます。

カリフォルニア ジョシュアツリー国立公園Ferocactus鯱頭

鯱頭が生えている場所は岩場の斜面です。20メートルは登ったでしょうか。

みなさん、行かれるときには登山の準備が必要ですよ!

その他、マミラリア・エスコバリア・エキノマスタス・エキノセレウス・オプンチア・など各地でいろいろなサボテンを見ましたがここでは割愛させていただきます。

ニューメキシコ オリバーリーメモリアル州立公園 Glandulicactus 羅紗錦

小ぶりのサボテンですが開花時期とあって刺の間から赤い花を咲かせていました。

それでは我々の自生地ツアー日記「荒野に夢を見た日~わしら怪しいサボ探検隊アメリカ南西部サボテン自生地へ行く~」から最終日の日記(一部抜粋)をご覧ください。(記 岩田氏)



7日目★4/24(水) バースト―経由でロスアンゼルスへ移動

いよいよ長いようで短かったサボテン自生地探索も今日で終わり。

大龍冠を見れる最後のチャンスの日だ。ホテルで軽い朝食を食べてから出発。昨日はジョシュアツリーで大龍冠を見ることができなく、みんなの顔に落胆の気配すら感じる。後から聞いた話ですが藤田さんは「心の中で岩田と書いた紙をビリビリに破いた!」との事(~_~;)

「そんなん言われてもねえ~。」なんですが。。。(~_~;)と各人の思惑とは別に車は一路北へ向かう。

車の助手席から眦を決して探すがそれらしきものは見当たらない。「まあ、ないものはないケンネ。しょうがないよね~。」と途中で開き直って窓外の風景を楽しむことにする。

暫くすると広大な平原が現れ民家らしきものは全く見当たらなくなる。小さな平野にへばり付いている日本では考えられないアメリカの大地の広大さだ。そのうち左手に山腹が白い山が現れる。まるで雪渓のようだが近づいてみると石灰岩のようだった。一直線の道路が果てしなく続くが遥か前方に山塊が見えてくる。位置から言ってたぶんこれが今回のポイントである。

もしここで見れなければ。。。とネガティブな感情が徐々に湧いてくる。

しかもこれまでの道中の様子とは打って変わって、誰もが無口になっていて溜まった疲れと昨日の落胆と、薄っすらとした期待の中で車を走らせているだけ。この空気を変えなければ!と変な責任感からつい小噺でもしてくださいよ!と皆に振ってしまった。しかし岩田さんは空振りになるかもしれない大竜冠にそれどころではない様子。横田さんは運転に集中。さらに重い空気になり、もはやこれまでかと思った時、藤田さんが挙手!なんと引出しの多いお方!考える間もなく2つの小噺で車中を和ませてくれた。これでまた一つ藤田さんは只者ではない一面を垣間見た気がした。一体何者なのか??すっかり車中の空気も明るくなり道路は一旦ゆるい上り坂になって山際を走るようになる。車のスピードを意図的に落としてもらう。山に少し入った右の平原にウチワやエビが見えたので車を止める。ポイントは何度でも言うがウチワやエビが生えている所は他のサボテンも生えている可能性が高い。早速降りて探すが見当たらない。かなり奥の山際まで行けばあるかもしれないが徒歩ではかなり遠い。落胆し車へ戻りかけたその時だ。「あったーっ!!!」と市子さんの甲高い歓喜の声が!

「うっ!ホンマ?嘘やろ~。ホンマ~?。」と半信半疑で声の方向にあわてて駆けつけると、暖かく柔らかいピンクの刺が枯れた大地の中で一番に目に入った。「うっおおっ~!あった~!ほんまにあった~。」これが大竜冠か!

藤田さん、横田さんもこの声を聞いて駆けつけてくる。顔には喜びよりまだ緊張感が漂っている。見つけた時の喜びは半ば諦めかけていた事もあり、今回の自生地の中でも1、2を争うであろう。

「我等ツイニ大竜冠ニ遭遇ス。天気晴朗、気分将ニ爽快!

我等ノ顔ヨリ満面ノ微笑浮カビ、万歳三唱シタシ気分ナリ。」

よく見ると四頭立てで鯱頭と見紛うほど刺が赤い。誰かが威厳に満ちた崇高な風貌と表現されたが将にそうだ。近くに二頭立ても見つける…続く。後日、藤田さんはこの写真を、栽培している大竜冠に「お前たちの故郷だぞ」と言って見せてあげたそうです(涙)


と、こんな感じで回ってきました。

あの広大な大地の中で自然に身を任せて生きているサボテンたち。厳しい環境に適応できないものは淘汰されていく。自分の栽培にどう生かしていけば良いのか。あの空気感、風、温度 湿度ともに再現できるはずもなく…。これは永遠に続く課題です。

次回の自生地ツアーの計画はすでに立っはいるものの、いつになったら実現することやら…。


次はあけさんです。よろしくお願いします!

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