会員コラム07
今回は茂吉が担当します。
現在はハオルチアにコノフィツム、それに臥牛錦をメインに育てています。
温室の栽培風景をご覧ください。
ハオルチア
コノフィツム
臥牛錦
多肉植物を育て始めたのは今から30年ほど前からで、それも娘から誕生日にリトープスとサボテンの寄せ植えをプレゼントされたのがきっかけでした。
当時の私は大学卒業と同時に地元の水族館に勤務し、魚から海獣までと飼育のすべてを経験し、特にオタリアやイルカのショーを作り上げた実績などから飼育現場に無くてはならない存在と自負していましたが、それが紙切れ1枚で総務へ担当替えとなって、娘には気落ちして見えていたのか知れません。
娘に励まされた私は、長年扱ってきた動物に比べれば植物は大したことがないだろうと高を括って取り組んだところ、すべてをダメにしてしまいました。知識も無いなか、温かくしてせっせと水遣りを繰り返して手を掛けた結末の先は根腐れと知れています。もう少しずぼらに育てていれば良かったのにと思ったものの後の祭りでした。でも物は考えようで、この時に上手く育てていればすべてが分かったように錯覚して今の自分は居なかったかも知れません。これが失敗で終わったことが今日の道へと、そしてクラブの皆さんとの交流に繋がったと思っています。
居間の窓際にラックを置いて、棘サボテンからのスタートでした。小さな金冠竜が一番のお気に入りでした。
10年後の金冠竜
その後、二階のバルコニーにフレームを作り、さらに2年後には自家製のビニール温室を作って規模を拡張し、本格的な栽培環境を整えました。環境さえ整えば、驚くほどの生育を見せてくれるのが植物の世界、大きく成長させることも実生にも自ずから力が入りました。1年に直径2~3cmは確実に大きくなり、温室が棘サボテンで埋め尽くされるにはそう時間はかかりませんでした。
大きく育った棘たち
その後、ビニール温室から全面アクリル板の温室に作り替えて栽培面積を拡張しましたが、それもまた一時のことで、現在のガラス温室に落ち着くのにはそう時間はかかりませんでした。
温室の作り替えを繰り返している最中、勤務先で再び配属替えがあり、今度は現場を統括する役職で復帰することになります。当時を振り返ると、仕事と趣味をどうやって両立させていたのか?出来たのか?情熱は自分に限界を作らず、とでも言いましょうか、若かりし当時が懐かしく思い起こされます。
棘サボテンとの別離は突然やってきました。それは決して飽きてしまったのではなく、サボテンのすべてが極めて順調に生育したからに他なりません。そうそう付け加えますと、多肉植物全般に言えることですが、早く大きく育てるには生育環境が重要ですが、それは鉢の中の環境についても同様です。つまり用土の更新、すなわち‘植替えに勝る良薬なし‘と言えます。
最適な環境と管理の下?で、年々大きくなるサボテンたちの壮観さと裏腹に、齢を重ねていく自分との間に立ちはだかる大きな壁、これだけは如何ともし難いのです。
潔さは男の勲章、そこから現在の栽培種に転換するのもこれまた一瞬だったと言えるでしょう。
ここで、現在愛培する実生のオブツーサ錦、臥牛錦、それに緋牡丹錦をご紹介します。
オリジナルのオブツーサ錦
展示出品の臥牛錦
実生の緋牡丹錦
最後に、昨年はコロナ禍で趣味仲間との語らいも存分に出来ず、クラブの展示会も開催できませんでしたので、今年こそはの思いです。
展示会を通じて、皆さんとの出会いの時が迎えられることを祈念して終わります。
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