会員コラム17
気を持たせた秋の展示会も中止。
確か、一昨年の豊平での展示会が最後だと思うが、私こと、茂吉の大好きなコノフィツムの愛らしさを皆さんにお披露目できず残念至極!
この無念を晴らす機会は無いものか?
思案の挙句、展示会でも一斉に開花した物を揃えることは難しいがスナップショットであれば何のこともない。見えを切るのもおこがましいが、我ながら素晴らしい英知に自賛!
さらに、最近では旧オフタルモフィルムのグループに、これまでは本でしか目にすることが無かった珍種が国内市場に出回るようになってきた。まぁ~珍種と言っても国内に流通していなかっただけで、趣味家がひっそりと増やしてヤフオクなどへ出品の機を伺っていただけのようだが?
前置きはこれぐらいにして、人気を持続し続けているコノたちの開花ショット、それに人気が低落ぎみなハオルチアなどを放出してやっと手に入れた数点の珍種も含めて紹介させていただく。
ブルゲリ
Rラツム
まだまだ人気なブルゲリとRラツムの開花、いずれも今秋で実生5年生だが、ブルゲリは実生から3年目、Rラツムは3年目で3割程度、4年目ですべてが開花した。
コノは浅鉢に植えるのが定番とされているようだが、ブルゲリやラツムなどの根を伸長させる種は深鉢の方が良いのかも知れない?と、昨年から変えてみたところ、今のところ順調に育っている。
ペルシダム
メイベルズ・ミルクマン
ペルシダムの仲間はほとんど白花だが、良く見ると花弁の長いもの、先の丸いものなどがある。
群生株の開花は清楚で見事の一言に尽きる。この時を何時までもと、思わずには居られない。
メイベルズ・ミルクマン(Conophytum‘Mabel's Milkman)はエクティプム(C.ectypum v. brownii)とビロブム(C.bilobum)との交配種とされている。白花と桃花の多いコノにあって底黄のオレンジ花はひと際目立つ。
ステファニー
黒粒紋ルックフォフィ
ステファニーは微毛を密生させる夜咲きの小型種で、輝きのある小輪の群開はフォトショットならではの一枚。芳香を放つとされているが、鼻の利かない自分では話にならない。
植物の本体が見えなくなるほどの濃い桃花が咲き誇るルックフォフィの群生株、頭数は300頭ほど。順調に育つと毎年倍近い頭数で増えるので、比較的短期間で群生株に仕立てることができる。
四角アンゲリカエ
アカベンセ
表面に凸凹がある種で、アンゲリカエの中でも四角桝のようで凸凹も多い。花期の盛りも過ぎて、
夜咲きなのに陽が高くなってから撮ったので、褒められたフォトショットではないがご容赦くだされ。
瓢箪のような小型種は旧オフタルモフィルムのアカベンセ。デビウムなども下膨れの容姿だが、アカベンセは首の長いので特徴でともに人気種。
実生から丸一年で花の咲いた早熟ぎみのものは別にしても、丸二年では大半のものが開花して結実する。ひ弱そうな見た目に反して、意外に丈夫。
マルギナータのリトルウッディ
リトルウッディと呼ばれていたデビウム
コノフィツムを育て始めて間もなくのころ、群馬の群仙園を訪ねて先代の島田氏からリトルウッディを分けてもらった。私も若かったが、亡き先代も実に溌溂としていた。懐かしいなぁ~
ところで随分と歳月が流れた後に、コノフィツムのマルギナータ―の亜種にリトルウッディ(C.marginatum ssp. littlewoodii)と呼ぶ種が有ることが分かった。島田氏から来たリトルウッディとはまったくの別物である。
では島田氏のリトルウッディは一体何者?答えを知ったのはさらに数年後、アカベンセの紹介で説明したデビウムはその昔にリトルウッディと呼ばれていたそうな!
でも見た目はデビウムのような下膨れの形ではなく、むしろカロリのような筒型である。しかし頂面にはカロリのような粒々はない。同じデビウムでも産地が違えば形状も違ってくるだろうし、自然交配することもあるだろう?
混迷は一層深まるばかりである。
コンコルダンス
フェニセウム
シュモクザメの目玉のように突出した窓が特徴のコンコルダンスも旧オフタルモの仲間で、デビウムやリンピダムに近縁の種だが、双葉の切れ込みが深く左右に開広する。
ポエニケウムとも呼ばれるフェニセウムは扁平な小判型で、分頭して数頭の群生になる。旧オフタルモの仲間で人気種のひとつなので高額で取引されている。昨年にハオルチアを放出して入手したが、順調に育って今年開花したので交配した。種がたくさん採れことを願うばかりだ。
アクツム
ペルデュランス
ブルゲリやRラツムの近縁種のアクツムは育っても2cmにも満たない小型種で、同属の中でもガラス細工の様な艶窓がひと際目を引く人気種。
表皮が灰色っぽい薄緑をしたペルデュランスは2cm弱の小型種だが、球体が数ミリしかない同属のプビカリックスやステファニーと比べると数倍大きい。同属種と同じく球体全体が微毛で覆われている。アクツム同様に夜咲き種で芳香を放つとされているが、これもまた確認できていない。
アクツムも高額で取引されているが、ペルデュランスはより流通頻度が少ないので入手も難しく高額。包み隠さず語ると、アカベのピンキーを売り払って入手した。
今回紹介した人気種のほかにも、サブテラネウムやルゴサムなど魅力ある種が多いコノフィツムは、今後もしばらくは人気を保持するだろう。
手に入れるための資金の捻出も怠りなく肝に命じることにする。
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